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「行動計画を前進させる」

2023-24年度には、多くの「最初」がありました。インドでのポリオ根絶の認定から「最初」の10年を祝い、中東で「最初」のロータリー平和センターが開設され、ローターアクトが提唱する「最初の」グローバル補助金が授与されました。これらの達成は、より大きなインパクトをもたらし、参加者の基盤を広げ、思い出に残る体験を会員に提供し、変化する世界に適応するというロータリー全体の取り組みのほんの一部にすぎません。

— ジョン・ヒューコ(国際ロータリー事務総長兼CEO)

より大きなインパクトをもたらす

奉仕は、ロータリーにおける活動の中核を成しています。私たちは、地元や海外で好ましい変化をもたらす活動に力を注いでいます。

End Polio Now(ポリオ根絶)

今年は、世界保健機関(WHO)の東南アジア地域がポリオフリーと認定されてから10周年となります。このような大きな進展を認識する一方で、私たちは弛むことなく活動を続けています。例えば、ポリオ根絶において重要な役割を果たす廃水サーベイランスにリソースを投入しています。このような水質検査は、公衆衛生の従事者がウイルスをすばやく検出し、対策を立てる上で重要であるだけでなく、ほかの疾病にも応用できる大きな可能性を秘めています

数字で見るポリオ:

  • 2023年に報告された野生型ポリオウイルスによる症例数は、2022年と比べて46%減少しました。
  • 2023年の世界ポリオデーには、ポリオ根絶への認識向上活動を4,200以上のクラブが登録しました。また、オンラインで836,000米ドルの寄付が寄せられました(前年比10%増)。
  • 2021年3月以来、10億服近い新型経口ポリオワクチン2型(nOPV2)が投与されています。ナイジェリアでは、nOPV2により、過去3年間で変異型ポリオウイルスの症例が85%減少しました。

エジプトにおける子宮頸がんとの闘い

7月、2023年度大規模プログラム補助金の受領プログラムとして、United to End Cervical Cancer in Egypt(エジプトにおける子宮頸がん撲滅のための結束)が発表されました。このプログラムは、カイロ地域で子宮頸がんの症例を減らすために200万米ドルの補助金を活用しています。このプログラムを通じて得られたデータは、エジプト政府が国内で活用できる、証拠に基づく戦略のために役立てられます。 

過去の大規模プログラム補助金の受領プログラムとそのインパクトについては、大規模プログラムのページをご覧ください。

ご寄付で可能になること

ロータリー財団は、人びとの人生を変える世界各地のプロジェクトに補助金を提供しています。今年度4月の時点で、地区補助金2,900万米ドル、グローバル補助金5,000万米ドルを授与しました。グローバル補助金は、各重点分野に以下のように配分されました。

  • 平和構築と紛争予防:100万米ドル
  • 疾病予防と治療:2,600万米ドル
  • 水と衛生:700万米ドル
  • 母子の健康:400万米ドル
  • 基本的教育と識字率向上:400万米ドル
  • 地域社会の経済発展:600万米ドル
  • 環境:200万米ドル

災害救援基金には、2024年4月の時点で160万米ドル以上の寄付が寄せられています。「ロータリーを支援し 世界にプレゼントを」のキャンペーンでは、重点分野において人びとを支援するプロジェクトのために、2023年に1,130万米ドル以上の寄付が集まりました(2022年比7.5%増)。2023年11月28日のギビングチューズデー(寄付の火曜日)には、ロータリー財団への寄付が130万米ドル以上となりました。 2024年4月時点での寄付額は2億8,700万米ドルを上回っており、5億米ドルのファンドレイジング目標に向けた取り組みが引き続き行われています。

参加者の基盤を広げる

ロータリーを成長させ、入会への関心を生み出すため、私たちは従来の会員層以外の人びとにアプローチし、ロータリーおよび会員の活動に対する認識を高めることに引き続き焦点を当てています。

ロータリーの成長

私たちは、現在と将来の会員のニーズに応えるクラブづくりの大切さを理解しています。カナダからシンガポールまで、世界各地のクラブが革新的なアプローチを駆使し、人びとの参加を促す環境づくりに力を注いでいます。このような取り組みのおかげで、今年度に510のロータリークラブと493のローターアクトクラブが設立され、115,000人以上の新会員が入会しました。1,000の新クラブを加盟認証し、15万人の新会員を迎えるという今年度の目標達成に向けて大きく進展しています。

ローターアクトをロータリーに完全に統合する継続的な取り組みの一環として、ローターアクターは間もなくロータリークラブ・セントラルでクラブの目標を入力・確認し、クラブの未来を計画できるようになります。ローターアクトが提唱する初のグローバル補助金が、ネパールとモンゴルでのプロジェクトに授与されたことをご報告でき、嬉しく思います。 

グローバルなパートナーシップ 

ロータリーは、バーチェシェヒル大学との提携を通じて、中東と北アフリカでの平和構築に力を注ぐロータリー平和フェローのために、トルコのイスタンブールに新しいロータリー平和センターを開校しました。2025年に第一期生が学業を開始するこの新しいセンターは、ロータリー平和センタープログラムをほかの主要地域に拡大するという長期的目標をさらに推し進めるものです。 

ロータリーは、ロータリー会員による淡水資源の保護、清掃、モニタリングを後押しするため、国連環境計画(UNEP)との新たな戦略的パートナーシップを承認しました。地球規模で環境を守るには、草の根レベルのこのような取り組みが不可欠です。このパートナーシップは、ロータリーと米国国際開発庁のパートナーシップWASH in Schools Target Challenge with UNICEF(ユニセフとの提携による学校での水・衛生改善)など、安全な水と衛生環境を改善する私たちの既存の取り組みを補完するものでもあります。

人びとの認識を高める

ブラジルでは、ローターアクターやインターアクター、『Rotary Brasil』(ブラジルのロータリー雑誌)のスタッフなど、ロータリーのコミュニティが協力して「ともにポリオと闘おう」と銘打つポリオ認識向上キャンペーンを立ち上げ、クラブが活用できるロータリーロゴ入りの幅広い推進資料が作成されました。9月のキャンペーン立ち上げイベントには、約2,000人が対面で参加し、800人以上がオンラインで参加しました。以来、全国のクラブが看板やポスター、Tシャツ、風船などにキャンペーンの素材を使用し、「ロータリーと共に ポリオをなくそう」という一貫したメッセージを広めています。 

 ロータリーは、ドバイ(アラブ首長国連邦)で開催された第28回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)で約30のセッションを主催しました。これらのセッションでは、地域社会主導のソリューションとパートナーシップ、ならびに会員による環境保全・保護の取り組みについて、COP28の出席者たちに紹介しました。

昨年8月には、「ブランドリソースセンター」の大規模なアップデートから1周年を迎えました。ブランドリソースセンターには、ロータリーへの認知向上のために会員が利用できる公共イメージ関連リソースがオンラインで一カ所に集められています。このアップデートの後、ブランドリソースセンターへのアクセスが35%増加し、ダウンロード数は33%増加しました。最も人気のあるアイテムには、地域社会にロータリーの独自性をアピールするために会員が利用できる「世界を変える行動人」の素材が含まれています。

   

参加者の積極的なかかわりを促す

会員がロータリーに参加し、ロータリーにとどまる理由は、クラブでの体験にあります。会員が行動人として活動し、学び、成長できる機会を提供することが非常に重要なのは、このためです。

ゴードン R. マッキナリー会長は、メンタルヘルスを優先することを会員に求めました。この呼びかけにより、メンタルヘルスのニーズに関する認識を高め、メンタルヘルスにまつわる偏見を減らし、メンタルヘルスケアへのアクセスを拡大する数多くのプロジェクトが世界各地で実施されました。 

スーサイド・プリベンション・アンド・ブレインヘルス・ロータリーEクラブ(米国)をはじめとするクラブが、偏見を減らし、日常生活に欠かせないメンタルウェルネスを維持する方法を促進する活動を行っています。サヘル・メトン・ローターアクトクラブ(レバノン)とアムステルダム・ナハトヴァハト・インターナショナル・ローターアクトクラブ(オランダ)は、レバノンで唯一の自殺ホットラインを支援するために資金を集めました。ネパールのロータリアンは、偏見と差別を減らす方法など、自殺予防と学校でのメンタルヘルス管理に関する教師向けセッションを開催しました。

クラブがプロジェクトや活動にメンタルヘルスへのサポートを組み入れるために役立つ各種リソースをMy ROTARYからご入手いただけます。また、メンタルウェルネスを育む方法について学ぶために、メンタルヘルス・イニシアチブのロータリー行動グループに連絡を取ることもできます。

すべての人を歓迎する

ロータリーは、多様性、公平さ、インクルージョン(DEI)の原則に力を入れています。すべての人が歓迎されるインクルーシブな環境を築くことは、極めて重要です。ロータリーでは、この取り組みを前進させるためにDEI諮問委員会を設置しています。また、より多くの地区がDEI委員長を任命し、各地でのイニシアチブを導いています。70%以上の地区が、DEI委員長を任命していると報告しています。 

 私たちは、インクルージョンがいかに地域社会に変革的なインパクトをもたらすかを身をもって示した6名のロータリー会員を2023年に「世界を変える行動人:インクルージョンの推進者」として表彰するなど、率先してインクルージョンに取り組む人たちのストーリーを紹介しました。2024年にも、シルビア・ウィットロック・リーダーシップ賞の今年度の受賞者で、ジェンダー平等とDEIの推進に努めてきたマンジュ・ファドケさんなど、優れた貢献をした会員を引き続き紹介しています。

クラブが多様性、公平さ、インクルージョンを推進するための新しいリソースや改訂されたリソースを、こちらからご覧いただけます。

新しい友人を作る

会員がロータリーにとどまる主な理由として、しばしば「友情」が挙げられます。ロータリー親睦活動グループは、同じことに情熱と関心を持つ人たちとクラブを超えて交流できる素晴らしい方法です。 

今年度には、親睦活動グループがリストが拡大され、100以上のグループを通じて会員同士がつながる方法がさらに増えました。新しく設立されたグループは以下の通りです: 

  • サイバーセキュリティのロータリー親睦活動グループ
  • 教育者のロータリー親睦活動グループ
  • 競馬のロータリー親睦活動グループ
  • メンタルウェルネスカウンセラーのロータリー親睦活動グループ
  • メタバースのロータリー親睦活動グループ
  • 元会長・役員・友人のロータリー親睦活動グループ
  • 不動産のロータリー親睦活動グループ
  • スタートアップ投資家のロータリー親睦活動グループ
  • 紅茶愛好家のロータリー親睦活動グループ
  • 完全菜食主義者のロータリー親睦活動グループ
  • 天気マニアのロータリー親睦活動グループ

適応力を高める

長期的な成功のカギは、組織の適応力です。ロータリーが常に改善と進化の方法を模索しているのは、このためです。 

バーチャルなつながり

バーチャルでつながる方法を提供することで、それぞれの人がニーズや希望に合った方法でロータリーを体験できます。マッキナリー会長は、新型コロナウイルス流行から学んだことを基に、ロータリーを体験するチャンスをより多くの人に与えるために、プログラムや行事、活動にバーチャルの要素をさらに取り入れることを地区に奨励しています。 ロータリー青少年交換、ロータリー友情交換、そのほかのプログラムや行事にバーチャルの要素を追加したり、完全にバーチャル化したりすることで、会員と参加者が異文化を体験し、新しい友人を作り、国際的な認識を深めるための新しい方法を提供してきました。また、時間面、健康面、経済面で制約がある人にも参加への道を開き、異文化間のコミュニケーションと理解を促進してきました。

バーチャルでつながる方法を提供することで、それぞれの人がニーズや希望に合った方法でロータリーを体験できます。

会員へのサポート

事務局では、会員がクラブや地域社会に奉仕するために必要な時間、手段、リソースを提供するために、プロセスとサービスの改善と合理化に力を注いでいます。 ロータリーが行っている調査を例に挙げてみましょう。私たちは長年にわたり、会員とその関心について多くのことを学び、これらの調査結果を組織の指針として戦略的イニシアチブを推し進めてきました。現在、これらの調査に関する情報をご覧いただけます。

また、会員のニーズにも耳を傾けています。2023年の世界ポリオデーに向け、会員からのフィードバックを基に、ポリオ根絶の推進資料の提供方法を改善しました。これらの変更の結果、昨年と比べて資料のダウンロード数が150%増加しました。 

会員向けのラーニングとスキル開発の資料の充実化にも引き続き取り組んでおり、現在、20以上の言語でコースを提供しています。今年4月の時点で、今年度に3万人以上の初回利用者がロータリーのラーニングセンターを訪れ、コースの修了数は24万以上に上っています。現在、クラブの約45%が定期的にラーニングセンターを利用しており、その数は今後も増えると予想されています。 


ロータリーの事務総長として、今年度のこれらの達成をを誇りに感じています。これからも、つながりとコミュニティ、そして好ましい変化を生むことに力を注ぐ、世界でも有数のこの組織の充実と発展に取り組んでまいります。