Skip to main content

トルコに新たなロータリー平和センターが開設

Skip to main content

イスタンブール(トルコ)にあるバーチェシェヒル大学(Bahçeşehir University)に新たなロータリー平和センターが開設されます。

文:

イスタンブール(トルコ)にあるバーチェシェヒル大学(Bahçeşehir University)にロータリー平和センターが新設されることに伴い、来月、平和フェロー候補者の募集を開始します。この新しいセンター(オットー・アンド・フラン・ウォルター・ロータリー平和センター)では、中東と北アフリカを拠点とする経験豊かな平和構築者に1年間の専門能力開発修了証プログラムが提供され、平和と開発分野の準修士号を取得することができます。 

「同センターは、中東と北アフリカの平和構築者を対象に、この地域の平和を推進するために必要なリソースと経験を提供します」と、ロータリー財団管理委員であり、オットー・アンド・フラン・ウォルター財団の会長であるマーサ・ピーク・ヘルマンさんは話します。ウォルター財団は、同センターの運営資金と年間40名までの学生へのフェローシップを永続的に提供するため、1,550万米ドルを寄付しました。

国際ロータリーは、平和と開発の分野で活躍する若手リーダーに、平和センターで学び、成長する機会を提供します。平和センターは、平和研究、紛争解決、国際開発の分野で確立されたプログラムをもつ大学に設置されています。

この最新のロータリー平和センターのカリキュラムでは、土地を巡る紛争、気候変動、食糧不安、難民の統合、経済と地域社会の発展など、中東と北アフリカで特に関連性の高い問題を取り上げます。また、フェローは、同大学にある国連の国際研修センター(CIFAL Istanbul)を通じて、国連訓練調査研究所(UNITAR)が提供するセミナーやワークショップにも参加します。その後は9カ月間、同地域で社会変革プロジェクトを実施し、その成果を修了前セミナーで発表します。

「UNITARとのパートナーシップと、国連の持続可能な開発目標に焦点を当てている同大学は、ロータリーの使命に沿った高度な研修をフェローに提供します」と、ロータリー平和センター・マネジャーのローラ・デッシャーさんは話します。「平和フェローは、紛争の原因となる問題に取り組むために、革新的な政策やアドボカシーの方法を学び、学んだことを各地の状況に適応させることができます」

同センターのディレクターであるエスラ・アルバイラクールさんは、地域に焦点を当てることが成功の鍵の一つだと話します。「紛争管理という学問が紛争変革に取って代わられたように、地域の問題に対する地域の解決策を見出すボトムアップ・アプローチは、紛争の根本原因に取り組むことによって効果的に対応するものです」

バーチェシェヒル大学

バーチェシェヒル大学(通称BAU)は、世界的に存在感を示す私立大学です。トルコ有数の高等教育機関で、125カ国以上から約3万人の学生が学んでいます。平和センターは、イスタンブール郊外に最近建設された同大学のフューチャー・キャンパスに設置されます。平和フェローは、プログラムの10週間の期間中、同キャンパスに滞在し、広々とした図書館、自習室、医療施設、フィットネス施設、その他のサービスを利用できます。 

「フェローは、さまざまな難民コミュニティについて学び、持続可能な開発の実践に参加し、被災地を訪問し、非政府組織と交流し、この地域の多様な文化を反映したイベントに参加できます」とアルバイラクールさん。「バチェシェヒル大学は、トルコに浸透している多文化主義とホスピタリティ精神を象徴しています。この大学は、中東と北アフリカの縮図として際立っており、この地域とその周辺から多くの学生を受け入れています」

2021年2月、ロータリー財団管理委員会は、中東・北アフリカ地域に新たな平和センターを設立するため、オットー・アンド・フラン・ウォルター財団から1,550万米ドルという記録的な寄付を受けました。この寄付により、ロータリー財団は、ロータリー平和センタープログラムを主要地域に拡大するという長年の目標に向けて前進することができます。2023年1月、管理委員会は、トルコのイスタンブールにあるバーチェシェヒル大学に平和センターを新設することを承認し、財団が提携契約を進めることを承認しました。

BAUを含むすべての平和センターで、2月1日から5月15日までロータリー平和フェローシップの申請を受け付けます。フェローは11月に選考され、2025年初旬に留学を開始する予定です。BAUでの平和フェローシップを受けるには、中東または北アフリカの出身であること、同地域で活動した経験があること、同地域に関連する地域社会や活動に携わっていること、同地域における平和構築のアプローチについて学ぶことに強い関心を示していることが条件となります。フェローシップには、授業料、宿泊費、食費、大学までの往復交通費、インターンシップや実地研修の費用が含まれます。

ロータリー会員は、地元で活動している平和構築者にフェローシップへの申請を奨励し、平和センターを支える上で重要な役割を果たします。トルコのロータリー会員は、平和フェローをキャンパスに迎え入れ、イスタンブールでの生活に慣れるよう支援します。

「ロータリーでは、世界中のクラブが協力し、地元と海外の地域社会でプロジェクトを支援しており、その心は平和、親善、友好の創造にある」と話すのは、国際ロータリー元会長で、ロータリー平和センター調査委員会の委員を務めるジョン F. ジャームさんです。「ロータリー平和フェローは、平和のための環境を整える地域開発プログラムの支援方法を学びます。バーチェシェヒル大学とロータリーが協力することで、中東と北アフリカだけでなく、世界中でこのような活動が強化されるでしょう」

著名大学を拠点とするロータリー平和センターは現在7カ所にあり、全額出資の修士号取得プログラム専門能力開発修了証プログラムを提供しています。これまでに1,700人以上が平和センターで学び、現在140カ国以上で活躍しています。プログラムの学友の多くは、政府、非政府組織、教育機関、国連や世界銀行などの国際機関でリーダーシップを発揮しています。ロータリー財団は毎年、修士号取得のために最高50名、修了証取得のために最高80名にフェローシップを授与しています。

「この新しい平和センターは、平和のために活動してきたロータリーの長い歴史の上に築かれるものです」と話すのは、国際ロータリー元会長で、ロータリー平和センター調査委員長のビル・ボイドさんです。「すべての問題を解決することはできませんが、平和の架け橋となる多くの平和フェローを通じて、変化をもたらすことができるでしょう」

2024年1月