ロータリーのストーリー
特定の活動分野に基づくクラブ:動物保護への情熱
コアララバーズ・ロータリークラブ(オーストラリア、クイーンズランド州)は、「コアラとその赤ちゃんの保護」という特定の目的を基盤としたクラブです。オーストラリア・コアラ基金によると、国内でのコアラの生息数は58,000頭を下回ると推定されており、同クラブはその数を増やすことに専念しています。
会費は、コアラの唯一の食料であるユーカリの植樹に充てられました。コアラの死因は、生息地の減少、病気、交通事故などが主な原因で、同クラブは、カランビン野生生物保護区と協力してワクチンの資金を集め、運転手の注意を喚起するための標識を設置するよう州や地方自治体に働きかけています。また、クイーンズランド州議会と協力し、コアラなどの動物が交通量の多い道路を安全に横断できるよう、野生動物用の橋を建設するよう働きかけています。コアラの保護に力を入れているこのクラブは、行動派の新世代をロータリーへと導くきっかけとなりました。
「コアラたちがオーストラリアを故郷として繁栄できる世界を、次世代へとつなげていけるよう全力を傾けています。これは、クラブ全員による真剣な取り組みです」 — ザッカリー・リビアさん(コアララバーズ・ロータリークラブ)
地域社会のニーズに取り組む奉仕プロジェクト
韓国ソウルのセ・ハンヤン・ロータリークラブとローターアクトクラブの会員が、93歳の女性の自宅で、壁紙、カーテン、床板の張り替え、家具の清掃と修理、壁の塗装などを1日かけて行いました。近くでは、別のロータリークラブの会員が、ほかの敷地内の大量のゴミを撤去しました。これらは、一人暮らしの人や高齢者、家族のいない人など、地域社会で最も弱い立場にある人びとの生活空間を改善するための、地区全体のプロジェクトの一環として行われました。
住環境をより安全に、より快適にするための第3650地区のプロジェクトを通じて、すでに100人近くが支援を受けています。ロータリーの活動への需要は高く、地区内の会員も熱心に参加しており、このプログラムはさらに多くの住民を支援するための拡大が期待されています。
「新型コロナウイルスの流行時に、一人暮らしの高齢者を支援し、喜んでもらえたことを嬉しく思います」 — リー・ジュンスさん(セ・ソウル・ロータリークラブ)
世界的な危機的状況で会員が結束
国連によると、ロシアがウクライナに侵攻して以来、何百万人もの人びとが故郷を離れています。ポーランドは300万人以上の難民を受け入れましたが、そのほとんどは身の回りのものをほとんど持たずに逃げてきた人たちです。
世界中のロータリークラブとローターアクトクラブがこの状況に迅速に対応し、ロータリー財団の災害救援基金に1,500万ドル以上を寄付しました。この基金は、水、シェルター、医療など、被災者に必要なものを提供するプロジェクトの資金として活用されました。
ポーランドのオルシュティン・ロータリークラブは、食料、衣料、洗面用具、おもちゃを集め、150人のウクライナ人(その多くは親がウクライナに残っている子どもたち)を収容している地元のセンターに配給しました。
「ウクライナでの戦争は、ロータリーのコミュニティをさらに緊密なものにしました。困難な時期でも、ロータリーを頼ることができます。私たちは大きなファミリーです」 — ヴォイチェフ・ブジェチョンコフスキーさん(ポーランド、第2231地区パストガバナー)
ポリオプラス:長期的な目標を達成するため、緊要なニーズに焦点
世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)は、新しい戦略計画の一環として、ポリオ予防接種を地域社会のより大きな活動に組み入れることで基本的なニーズを満たそうとしています。
パキスタンのカラチはずれにあるカディム・ソランギ・ゴスは、世界に残る数少ない野生型ポリオウイルスの温床の一つです。同国でワクチン接種率が最低となっているこの地域では、住民の大きな関心は安全な水などの問題に注がれています。GPEIは、パキスタン全土に36基の浄水場を設置することを目標に掲げました。2012年以降、パキスタンのロータリアンは、コカ・コーラ・パキスタン社やほかのロータリー地区と協力し、ロータリー財団のグローバル補助金やポリオプラス・パートナー補助金を活用して浄水場を設置してきました。
ポリオ根絶のプログラムは、GPEIとロータリークラブの努力により、年々その信頼性を高めてきました。地域社会のニーズに耳を傾けることで、GPEIパートナーへの信頼が築かれ、人びとは子どもたちをポリオから守るためにワクチン投与者を家に迎え入れるようになりました。
「安全な水が使えるようになり、ワクチン投与者が家庭を訪問すると、母親たちが子どもたちを連れてきて予防接種を受けさせてくれるようになりました。ワクチン投与者は、より安全に地域社会にアクセスできるようになったのです」 — アシャー・アリさん(パキスタン・ポリオプラス委員会プロジェクト責任者)
末永いパートナーシップでインパクトを高める
メキシコ最長の河川の一つであるレルマ川は、農業に欠かせない水路であると同時に、周辺地域の水源でもあります。しかし、ひどい汚染に直面しています。
数年前から、メキシコと米国のロータリークラブ、ローターアクトクラブ、インターアクトクラブの会員が政府関係者と定期的に会合をもち、ときには全身防護服を着て川からゴミや有害物質を除去してきました。
ボランティアは、何百トンもの廃棄物を撤去してきたほか、有機物とその他の廃棄物を分別し、回収したプラスチックをリサイクルし、将来の汚染を防ぐために発生源の特定に取り組んでいます。
「今なら、子どもたちのため、より良い世界を残すために、できることはすべてやってきたと、堂々と言うことができます」 — サルバドール・リコさん(米国カリフォルニア州、サウス・ウキア・ロータリークラブ)