2回目となったバーチャル国際大会でポリオ根絶やコロナ禍終息への進展にハイライト
6月12~16日に開催されたロータリーバーチャル国際大会は今年2回目の開催となり、何千人もの参加者がオンラインで友情を築き、楽しいひと時を過ごしました。今回のバーチャル国際大会は、新型コロナウイルスの世界的流行のために台北(台湾)での対面式の国際大会が中止となったことを受けてオンラインで開催されました。
20人以上の講演者、情報豊かでインスピレーションあふれる分科会、インタラクティブな友愛の家やさまざまなバーチャルのアクティビティやエンターテイメントが含まれたバーチャル国際大会には、約10,000人が登録しました。
ホルガー・クナーク国際ロータリー会長は開会本会議のスピーチで、旅行が制限されていたためにクラブやプロジェクトを訪問できず、支援や激励を提供することが難しく、自らの会長年度が失敗に終わってしまうのではないかと心配していたと述べた上で、「しかし、問題と思われたことが利点に変わりました。毎日、さまざまな場所のクラブをオンラインで訪問できたのです」と振り返りました。
1日で世界中のクラブや地区を訪れることができたのは報いがあったとクナーク会長は述べました。「バーチャル環境では、一週間で12のロータリークラブとそのプロジェクトを訪れることができました。とてもエキサイティングで報いある経験でした。困難な年度に、皆さんが実施した活動をとても誇りに思います」
クナーク会長はまた、コロナ禍によって大きな被害がもたらされ、多くの人にとって大切な人を失うという悲しい結末となっていることにも触れ、「亡くなられた方々に思いをはせ、コロナ禍をできるだけ早く終息させるためにできることすべてを行わなければならない」と語りました。
困難な1年であったにも関わらず、世界保健機関(WHO)によるアフリカ地域の野生型ポリオウイルスの根絶が宣言されるという歴史的なニュースがあったことも紹介し、ロータリーがこの進展の勢いを維持し、世界的なポリオ根絶に引き続きコミットしていくことを奨励しました。クナーク会長は、今年5月までの時点で、世界で報告された野生型ポリオウイルスの症例は2件だったことも紹介しました。野生型ポリオウイルスが蔓延している国は、アフガニスタンとパキスタンの2カ国です。
バーチャル国際大会ではまた、テドロス・アダノム・ゲブレイェソスWHO事務局長もビデオメッセージを寄せ、ポリオ根絶に引き続き取り組むロータリーを称えました。「新型コロナが蔓延しても、皆さんはポリオのない世界というビジョンを諦めないどころか、活動をさらに強化されました」
バーチャル環境では、1週間で12のロータリークラブとそのプロジェクトを訪問できました。とてもエキサイティングで報いある経験でした
— ホルガー・クナークRI会長
テドロス事務局長は、世界的流行によって、対応する体制やリソースがない地域社会がある限り、世界への保健的な脅威が高まることが浮き彫りになったと指摘し、ロータリアンはその事実を理解していると言及しました。「皆さまの公共保健への投資は、未来の世代がロータリーの標語である『超我の奉仕』を指針として生きるインスピレーションとなるでしょう」
Gaviワクチンアライアンスのセス・バークリーCEOは、コロナワクチンに関する最新情報を提供し、コロナ禍によって停滞してしまった定期的な予防接種活動を再開することの重要性について語りました。
バークリー氏は、世界で14のコロナワクチンが承認され、14億人がワクチンを接種したとし、これは「歴史上最大で最も複雑なワクチン開発」だったと述べました。Gaviは、コロナワクチンへの公平なアクセスを目的とした世界的な取り組みであるCOVAXを共同主導しています。来年初頭までには、92の低所得国に住む18億人以上にワクチンが届けられる予定となっているとバークリー氏は報告しました。これらの人たちは、この取り組みがなければワクチンの利用ができないと考えられています。
しかし、コロナワクチンが終息の最終章ではありません。
「コロナワクチンの利用が拡大していく中、予防接種で得られたことを維持していくことが大変重要となる」とバークリー氏。「コロナ禍でもたらされた荒廃から復活し、多様な状況や年齢にある人びとが誰一人として置き去りにされないよう、活動をより強化していかなければなりません」
さらにバークリー氏は次のように付け加えました。「Gaviのパートナーとして、国際ロータリーはこれらすべての活動において主要な役割を果たします」
バーチャル国際大会ではこの他にも以下の方々が講演しました:
- ブルース・アイルワード、WHO事務局長シニアアドバイザー
- エリウド・キプチョゲ、オリンピック金メダリスト/マラソン世界記録保持者
- バネッサ・ナカテ、気候活動家/Rise Up Movement創設者
- アナ・ロズリング・ロンランド、Gapminder財団副会長
- サンジ・スリカンサン、シェルターボックスCEO
本会議の司会は、ニュースキャスターでロータリー会員のマーク・ライトさんでした。
エンターテイメントは次の通り:ザ・フィルハーモニック(ヒット映画Pitch Perfect 2に出演のアカペラグループ)、Hiplet Ballerinas(ヒップホップとバレエのフュージョンダンスグループ)、アイドリス・グッドウィン(詩人、米国アーティストフェロー)、DDC Breakdance(ドイツを本拠とするダンスグループ)
バーチャル国際大会への参加者は、料理教室、トリビアクイズ、ダンスパーティ、バーチャル写真ブース、ポリオ根絶のための5キロウォークなどのアクティビティも楽しみました。
>>大会の動画と写真
講演とレポート
シェカール・メータRI会長エレクトの講演(PDF)
ジェニファー・ジョーンズRI会長ノミニーの講演(PDF)
K.R. ラビンドラン・ロータリー財団管理委員長の講演(PDF)
ジョン・ヒューコ事務総長の講演(PDF)
事務総長による国際大会への報告
RI財務長による国際大会への報告(PDF)