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震災からの復興に取り組むトルコでロータリーが支援を継続

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水、教育、農業用品、各種設備のために400万米ドルを超える資金を充当

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昨年、トルコとシリアで発生した震災の後、ロータリー会員による寄付や救援活動は、支援が必要とされる場所で希望がもたらされていることを示すものだと、同国を訪れたゴードン・マッキナリー2023-24年度RI会長は述べました。

「トルコのハタイ県でロータリー会員にお会いし、これらの会員がこれからも地域の復興に力を尽くしてくれることを実感した」と、4月に被災地を訪れたマッキナリー会長。会長はまた、ロータリー会員が支援した幼稚園、職業訓練校、移動キッチン、そしてベーカリーを視察しました。今回の震災で大きな被害を受けた人びとのために、ロータリー会員が希望をもたらしてくれていることに感謝している」と、マッキナリー会長は述べました(2023-24年度のテーマは「世界に希望を生み出そう」)。

55,000人以上の死者を出した2023年2月の震災以来、ロータリーは被災地域を支援するために400万米ドル以上を充当してきました。シリアにはロータリークラブがないため、支援活動はトルコ国内に限定されました。会員たちは、被災者のためのコンテナ住居や水処理プラントの設置、農家への苗木や牛の提供、病院への機器の提供、学生へのコンピュータ寄贈、動物クリニックの開設など、さまざまな支援を行いました。

トルコを訪問したゴードン・マッキナリー2023-24年度RI会長とパートナーのヘザーさん。トルコは2023年の地震で甚大な被害を受けました。2024年4月24日。

©Rotary International

マグニチュード7.8の地震が発生し、ロータリーは即座に災害救援基金を設立して270万米ドル以上の寄付を集めました(現在、同基金への寄付はお受けしていません)。さらに、総額約140万米ドルのグローバル補助金も活用されました。

「ロータリー会員は、被災状況を目の当たりにするとすぐに駆けつけて支援を提供してくれた」と、イスケンデルン・ロータリークラブ(トルコ)の会員、セジン・アシオウルさんは話します。「実に機敏かつ迅速で、それが多くの人を支援へと促しました」

緊急および長期的ニーズへの支援

緊急支援物資には、捜索救助車、病院用品、テント、寝袋、エアコンなどが含まれました。

トルコ国内のロータリー地区は、政府が輸送用コンテナを利用した住宅を3カ所に設置するのを支援しました。第2430地区のガバナーノミニーであるリュトフィ・カン・チュルガンさんは、地震直後から多くの企業がコンテナ製造を始めたため、高品質で手頃な価格のコンテナを探すのが大変だったと話します。幸い、被災した主要都市の一つであるアダナのロータリー会員が、信頼できる会社を紹介してくれたと言います。

「おかげで、コンテナを高値で購入せずに済みました。これは、ロータリアンとして常に心がけていることです」とチュルガンさんは話します。

2023年の地震後、トルコの第2420地区と第2440地区から寄贈された雌牛を世話する農民のフセイン・ドゴンさん。2024年4月27日。

©Rotary International

ロータリー会員はまた、二つのコンテナ住居エリアに水処理プラントを設置しました。「1基400トンのタンクに水を集め、ポンプを使って住居へと送るシステムです」と、第2420地区のガバナー、メフメット・アルタイさんは話します。「このシステムで提供される水はペットボトルの水と同じ水質で、飲んだり、お茶を入れたり、料理をしたりするのに適しています」

このほかにも、移動式の歯科クリニック、仮設教室、コンピュータ寄贈などのプロジェクトが行われました。

「ロータリーは地震被災者の生活を大きく変えることができます」とアルタイさん。「私たちが設置したシステムで水を飲む人は皆、ロータリーに感謝しています。ロータリーから贈られたコンピューターで宿題をする子どもたちの生活にも変化をもたらしています。また、コンピュータが搭載された教室では、生徒たちが好きなテーマについて調べ物をすることができます」

農業用品や農機具、家畜も重要な寄贈品です。各地区は、農民がジャガイモを収穫したり、サイレージ(牧草などの飼料を刻んで保存し、後で家畜の飼料として利用)を作るための機械を提供しました。また、種、苗、苗木、受胎した牛も寄贈され、生活の早期回復に役立っています。

「生活を維持できるように支援したいと思います。それがなければ、被災地域の人びとはほかの地域へと移ってしまうでしょう。生活の術がなく、経済的活動もなければ、ここに戻ってはこないでしょう」とチュルガンさんは話します。

  1. 第2420地区と第2440地区が設置したコンテナ住居に滞在する避難した人びと。2024年4月24日。

    ©Rotary International

  2. 第2420地区と第2440地区が寄贈したコンテナ住居に住むセレン・ケイさん。2024年4月24日。

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  3. 地震で避難した動物のために第2420地区が提供した動物シェルターで、猫の手術を行う医療スタッフ。2024年4月25日。

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  4. 第2420地区と第2440地区が地震被災者のために設置した浄水システム。2024年4月25日。

    ©Rotary International

  5. 被災後に第2420地区と2440地区によって設置された学校。2024年4月25日。

    ©Rotary International

アルタイさんの地区はまた、病院に小児用の心エコー装置を提供し、教育研究病院では破損した手術室の機器を交換しました。

「行えなかった脊髄や脳の手術が再び行われるようになった」とアルタイさんは話します。

傷ついた動物を救うためのクリニック

地震の後、傷ついたり捨てられたりしたペットを助けるため、第2420地区は動物クリニックを設置し、治療や手術のための機材を提供しました。クリニックのスタッフは、動物たちの不妊去勢手術や傷の手当てを行い、狂犬病(人に感染する恐れのある病気)などの予防のためにワクチン接種を行っています。また、ロータリー会員は、動物たちをクリニックに運ぶための車も寄贈しました。

「被災地を訪れた際、飼い主を失った多くの犬や猫が廃墟の中をさまよっているのを目にしました」と、アルタイさんは話します。「負傷して、緊急の治療を必要としている犬や猫もいました。このクリニックは、何千匹もの動物たちを救うことになるでしょう」

このクリニックの名称は、メキシコから寄贈され、瓦礫の中で地震の生存者を捜索中に亡くなった救助犬のプロテオ(Proteo)にちなんで名づけられました。

アルタイさんは次のように話します。「プロテオの名前とメキシコからの援助は、永遠に語り継がれることでしょう」

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