2022年3月、ロシアがウクライナへの侵攻を開始した直後のこと、ポーランド東部の都市ルブリンから30km少々離れた町ヴォイチェフの家に、難民が続々と集まりました。
ロータリーでは、各地の多くの会員がウクライナ支援に当たっています。
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Lublin-Centrum-Maria Curie-Sklodowskaロータリークラブの会員であるヤヌス・ミラノフスキーさんと妻のカタジナ・スミギン=ミラノフスカさんは、2021年にこの家を購入した当初、これを中毒に苦しむ10代の若者のための施設にしようと考えていました。しかし、ウクライナからの何千人もの難民が滞在場所を必要としているため、夫妻は代わりに彼らにこの家を開放しました。
ナタリア・プロクホールさんは3月上旬にポーランドに到着しました。彼女は、救援機関の支援を受けた聴覚障害者のウクライナ人17人のうちの一人で、ほかの難民たち(合計29人)と一緒にこの家に住むことになりました。
ウクライナ東部のルハンスク地方で育ったプロクホールさんが家を離れるのは今回が初めてではありません。2014年にロシア軍がウクライナのドンバス地方の一部を占領した際、彼女と母親はキーウ(キエフ)に逃れました。「家族が再び命をかけて戦わなければならないことが信じられませんでした」と彼女は言います。「それは、恐ろしい夢のようでした」
プロクホールさんは、家族が無事であることに感謝していますが、聴覚障害者が仕事を見つけるのは難しいことが多いため、すぐにウクライナに戻れることを願っています。
この避難民の家では、訓練を受けた通訳がウクライナの手話からポーランドの手話に通訳することもあります。通訳がいないときは、オンライン翻訳機を使用します。「よく話をするんですよ」とミラノフスキーさんは話します。
4月には、難民とロータリー会員がこの家に集まり、イースターを祝いました。手話で話しながら、食べ物やその他のお祝いの品をテーブルに並べました。ポーランドを表す赤と白、ウクライナを表す青と黄色に色付けされた卵が飾られました。ウクライナにいる親戚には食料も水も電気もない人もいるため、それらの人たちとの連帯感から、伝統的なイースターのお祝いに比べると控えめなお祝いにしました。
難民が到着する前に、ロータリークラブ会員がこの家を整え、それからも資金集めと日々の運営を続けています。また、同クラブは、国境を越えて援助を送り、ロータリー第7870地区(米国ニューハンプシャー州とバーモント州)と協力して、31万7千ドル相当の医療器具をウクライナの野戦病院に寄贈しました。