ロータリーのナイジェリア・ポリオプラス委員長であるツンジ・フンショ氏が、『TIME』誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれ、世界で活躍する先駆者、アーチスト、リーダー、著名人、巨匠たちとともにリスト入りしました。『TIME』誌は9月22日(米国時間)、米テレビ局ABCの番組で2020年の100人を発表。アフリカ地域での野生型ポリオの根絶においてロータリー会員やパートナー団体と協力し、重要なリーダー的役割を果たしたフンショ氏の功績を称えました。
ポリオ根絶の取り組みによりこの栄誉を受けたロータリー会員は、フンショ氏が初めてとなります。
Lekkiロータリークラブ(ナイジェリア)に所属するロータリアン歴35年のフンショ氏は、第9110地区パストガバナーであり、インターナショナル・ポリオプラス委員会のメンバーです。心臓専門医である同氏は、ロンドンの王立外科医師会のフェローでもあり、妻のアイシャさんとともにナイジェリアのラゴス在住し、4人の子どもと5人の孫がいます。
TIME誌が選ぶ毎年恒例の100人のリストには、リーダーシップや才能、発明、慈善活動を通じて世界に変化をもたらした人たちが名を連ね、過去にはボノ、ダライ・ラマ、ビル・ゲイツ、ネルソン・マンデラ、アンゲラ・メルケル、オプラ・ウィンフリー、マララ・ユスフザイなどが選ばれています。
2013年以来ナイジェリア・ポリオプラス委員長を務め、同国でのポリオ根絶活動の先頭に立ってきたフンショ氏は、同国のロータリアンたちと共に、ポリオ予防接種の重要性に対する認識を高め、政府や著名人に支援を呼びかけ、ロータリーとポリオ根絶活動における声となってきました。世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)のパートナー団体である世界保健機関(WHO)、UNICEF(国連児童基金)、米国疾病対策センター(CDC)、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、Gaviワクチンアライアンスとも連携しています。
ナイジェリアでのポリオタスクフォースのメンバーとして、同国保健相やポリオ根絶のための省庁間協力委員会とともに予防接種やアドボカシーキャンペーンの調整にあたったほか、Sir Emeka Offor財団、Dangote財団、伝統的リーダー評議会やナイジェリアのイスラム女性協会とも密接に協力してきました。
2019年8月、ナイジェリアでは野生型ポリオウイルスの無発症期間が3年を経過。ロータリー、パートナー団体、自治体や各国政府によるナイジェリアでの進展は、数十年に及ぶ懸命な取り組みの成果です。これには、国内外での資金調達、数十万人もの保健従事者のコミットメント、同国北部の不安定な状況により予防接種ができなかった子どもにワクチンを投与するための革新的な戦略が含まれます。
去る8月25日、アフリカ地域での野生型ポリオ根絶が宣言され、歴史的な快挙となりました。これは、世界人口の90%以上を占めるWHOの6地域のうち、5地域で野生型ポリオウイルスが根絶されたことを意味します。アフガニスタンとパキスタンでは、現在も野生型ウイルスによるポリオの感染が続いています。
アフリカ地域での快挙は、世界からポリオを根絶するという目標に向けた大きな一歩です。フンショ氏は、この達成について『TIME』誌に次のように語っています:「ナイジェリアでのポリオ根絶活動は数々の困難に突き当たりましたが、根絶が実現する日が必ず来ると信じてやみませんでした。状況が後退するたびに、ロータリーとパートナー団体が解決策を見出し、弱い立場にある子どもたちにワクチンを投与する戦略を立ててきたのです」
フンショ氏はこう加えます:「確信をもって言えることは、ナイジェリアで野生型ポリオウイルスを根絶できるなら、どの国でも根絶が可能だということです」
2020年9月23日