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笑顔の理由

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ロータリアンは、人びとの笑顔を取り戻すために、多くの手術を実施してきました

執筆: 写真撮影:

2012年、リカルド・ロマンさんがデパートで買い物をしていたとき、20代前半らしき女性が近づいてきました。「見覚えはない」とロマンさんは感じたそうですが、それもそのはず。その女性と以前に会ったのは10年以上も前。そして何よりも、彼女の笑顔に劇的な変化があったからです。

  1. 子どもの具合について保護者に伝える外科医のLena PinillosさんとJames Lehmanさん

  2. 医療チームは250名の患者に手術を実施。患者の状態とニーズに基づいて決定を行っています。

  3. 子どもの手術のために書類に記入する母親。

  4. 緊張する子どもへの配慮から、明るい医療服を着るLehmanさん。

  5. 手術の準備をする看護師。

  6. 手術中の子どもを待つ父親。プログラム中、患者とその家族の数は、イスの数を上回ります。

  7. 口唇口蓋裂には先天性要因がありますが、はっきりとした原因は分かっていません。

  8. 2月のセッションでは、82名に手術を実施。

  9. 子どもをあやす母親。

  10. チームには、形成外科医、麻酔科医、看護婦、スピーチセラピストが加わったほか、ローターアクターやロータリアンも運営や移動の手伝いをしました。

レニャーカ・ロータリークラブ(チリ)の会員であるロマンさんは、口唇口蓋裂やほかの先天性欠損症がある子どもを支援するプログラムで全国コーディネーターを担っています。この女性は、支援を受けた子どもの一人でした。

『「これが私のロータリアンスマイル」、と彼女は言ったんです』

そう振り返る、ロマンさんの声は震えていました。

このプロジェクトは1993年、サンフランシスコのロータリアンが、チリで再建手術を行う医療団を派遣したことから始まりました。これこそ現在、26カ国にチームを派遣するまでに発展したプログラム、ロータープラスト(Rotaplast)の始まりです。

2004年からチリのロータリアンがプログラムを主導するようになって以来、数年間で同国の多くの医師が参加するようになり、癌患者の乳房再建を行えるほどプログラムは拡大しました。

「スペイン語を話す人と英語を話す人が一緒に活動して結果を出してることがロータリーの素晴らしさ」と、米国オハイオ州の整形外科医、ジェームズ・リーマン(フェアローン・ロータリークラブ会員)は話します。

「これが私のロータリアンスマイル」、と彼女は言ったんです


レニャーカ・ロータリークラブ(チリ)

今年2月、リーマンさんは、米国の形成外科医、麻酔科医、看護婦のチームと共に、チリ北部の国境から約130km南の港町イクイケを訪れました。チームの食費・宿泊施設の支払い、国内交通費は、近くの鉱物産業からの資金援助や地元会員が賄いました。飛行機代は医師たちが自己負担したほか、オハイオ州の非営利団体がスタッフ渡航費を負担しました。

チリでは年に約600人の口唇口蓋裂の子どもが生まれています。政府が8つの治療センターを設立しても、その順番待ちリストは長く、何年も待たなくてはなりません。

そのため、チームが活動する病院では、土曜の朝早くから250人を超える患者の行列ができました。チリ全国から患者が集り、中には2000km以上も旅してきた家族もいました。

手術室は4つあり、それぞれ口唇口蓋裂、耳の再建、乳房再建、その他の用途に使用します。チームは多忙です。患者のニーズと複雑さに基づいて決定が行われ、今回の滞在中に患者82名に手術をしました。多くの患者は完全な再建に複数回の手術を要し、中には完了まで数年間、毎年手術を受けなければならない人もいます。

最後の手術が終わっても、患者とロータリーとの関係は続きます。

冒頭で元患者と再会したロマンさんは、その後、その女性をロータリー行事に招待しました。300人の会員を前に、彼女は自分の人生を変えた手術について講演。彼女の輝くロータリアンスマイルに、多くが涙を流しました。