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ロータリー青少年交換:認定までの道のり

ロータリー青少年交換は1975年にロータリーの活動として正式に認められましたが、ロータリー会員は1920年代から交換活動を促進してきました。数十年にわたる会員の努力により、現在では毎年平均7,500人が参加する交換プログラムに成長しました。

ロータリーは、各地区での交換プログラムの発展を支援するため、1969年に『Youth Exchange』を発行

初期のコンセプト

1927年、国際ロータリーは、国際的な青少年交換に関する二つの提案を受けました。一つはロータリアンの子どもたちの交換プログラムを提案するもので、もう一つは職業上の目的に焦点を当てた交換プログラムを提案するものでした。これらの提案は、青少年の旅行を伴うその他の提案とともに、特別委員会で検討され、約1年後、委員会はこのような交換プログラムの多くの利点を認めつつ、国際ロータリーがその運営を行うべきではないと推奨しました。 

1928年6月、理事会も同様の結論に達しました。理事会は、国際ロータリーによる交換プログラムの創設や、それを支援するための各国委員会の設置には賛成しませんでした。しかし、それは、ロータリークラブが独自に交換プログラムを組織することを妨げるものではありませんでした。

そのわずか1カ月後、理事会は見解を一部変更し、欧州のロータリアンによる若者向けの職業交換プログラムの取り組みを「道義的に承認」し、スイスのチューリッヒにある国際ロータリー事務局が関心のある欧州内のクラブに支援を提供できることに同意しました。

2023年、ブラジルにあるホストファミリー宅でランチを作るインドからのロータリー青少年交換学生

2023年のロータリー青少年交換で、それぞれ米国とアルゼンチンからブラジルに留学した交換学生

交換プログラムへの関心の高まりを受け、デンマークのコペンハーゲン・ロータリークラブは、1929年6月に青少年交換に関する国際会議を開催しました。出席者は、英国、フランス、ドイツ、米国を含む12カ国から集まりました。 

国際ロータリーは、このような交換プログラムの中央管理に積極的に関わることに消極的な姿勢を崩しませんでしたが、交換プログラムは地域社会で取り組む価値のあるものであることを引き続き会員に伝えました。クラブは、「国際奉仕および少年奉仕」(International Service and Boys Work)委員会に管理業務を任せ、交換プログラムに関与するほかの機関と協力することが奨励されました。

おそらく、この世界中の異国間の青少年交換プログラムから得られる最大の利益は、国際平和、親善、相互理解の促進と発展である。青少年交換プログラムを通じて築かれる個々の友情は、国際的な友好関係を築く上での確実な成果となるであろう


プログラムが少しづつ形に

1966年1月、理事会は青少年交換プログラムを暫定的に支持しましたが、正式な承認には至りませんでした。すでに世界各地で実施されていた青少年交換プログラムに関する世界的な調査が計画されました。1960年代終了時までに、理事会は少なくとも一つの多地区合同交換プログラムを承認し、ロータリーは国際交換のガイドラインを記載したパンフレットを発行しました。

正式な認定

国際ロータリーがすでにこの活動に多少関与していることに留意し、1974年、米国の二つのロータリークラブは、ロータリーのガバナンス機構である規定審議会に、国際学生交換のプログラムを「国際ロータリーの活動」として設立することを要請しました。

スイス・ジュネーブで開催された国連でのロータリーデー(2017年)に参加したロータリー青少年交換学生

2005年、米国オハイオ州トレドの小児病院でボランティア活動を行う、ボスニア・ヘルツェゴビナからのロータリー青少年交換学生

この提案は可決され、1975年1月に発効することとなりました。とはいえ、理事会は、いかなるプログラムもRIの活動として正式に認定することは異例であると指摘しました。特に、理事会は、「国際ロータリー」(Rotary International)という名称が地元のプログラムと併用されることについて懸念を示しました。『The Rotarian』誌は、同年の4月号で理事会の決定を要約し、「国際ロータリーの活動」として認定されることは、「ロータリークラブの活動」として認定されること意味すると説明しました。

国際ロータリーは交換活動を推進し、プログラムのスポンサーと参加者にガイダンスを提供しますが、ロータリー青少年交換は現在もロータリー地区とロータリークラブによって運営されています。ロータリー会員と非会員を問わず、数え切れないほどの人たちの献身とリーダーシップが、このユニークなプログラムを成功に導いています。

— 2025年3月