ロータリー会員とEU 平和に向けた協力を模索
去る3月8日、ブリュッセル(ベルギー)の欧州連合本部で「Rotary at the European Union(欧州連合とロータリー)」と題された特別イベントが開かれ、240人以上のロータリー会員とゲストが出席し、平和の実現に向けたロータリーと欧州連合(EU)の協力について話し合いました。
毎年ニューヨークの国連本部で開催される「Rotary Day at the United Nations(国連でのロータリーデー)」にならったこの企画。EUでこのようなイベントが開かれるのは初めての試みとなりました。2時間にわたる会議には、ロータリー会員とEU代表者らに加え、ビジネスリーダーも出席し、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」および平和とより安定した世界を実現するために、ビジネス界とロータリーのような市民団体がどう協力できるかを模索しました。
欧州人権裁判所の元副長官フランソワ・トゥルケン氏がモデレーターを務め、欧州委員会の環境・漁業・海事担当委員カルメヌ・ヴェラ氏、Colruyt Group事務総長ジャン・ドゥルードゥ・セシル氏、ベルギー商工会議所連盟会頭ルネ・ブランダース氏、ジョン・ヒューコ・ロータリー事務総長がプレゼンテーションを行いました。
国連開発目標の達成にはビジネス界と市民団体の協力が欠かせないと訴えるヴェラ氏は、世界的な取り組みでロータリーが果たすことのできる重要な役割に触れました。「ロータリーの皆さんは、豊かな資産、そして広いネットワークをお持ちです。これを生かして、開発目標を実現するために地域社会のステークホルダーを結集させることができるでしょう。国際ロータリーは、ビジネス界と市民社会の間の協力関係をつくりだし、共通のアジェンダを進めながら世界を変えることのできる独特な立場にあります」
国際ロータリーのヒューコ事務総長は、今も続く難民危機に対応し、包容的な経済開発を促進するロータリーの取り組みを紹介しました。「私たちロータリーは、EU、各国政府、市民社会、民間セクターなど、それぞれの組織が重要な役割を果たす賢明なパートナーシップを創りだすことで、さまざまな問題に対応できると考えています。ロータリーとEUの関係が深まりつつあることは、未来への希望につながります」と述べました。
EUは、ロータリーが力を入れている世界ポリオ撲滅活動も支援しており、「ロータリーとEUが協力できる機会があるはず」とイベント主催者は考えています。
今回のイベントは、欧州委員会の調整の下、EUへのRI代表であるマイケル・クーマンス氏とヒューゴ-マリア・スカリー氏が企画運営を担当し、ベルギーとルクセンブルグのロータリー会員、カトリーン・ファン・リセーゲム氏、フィリップ・ヴァンストール氏、ナタリー・ヒュイバート氏(いずれもガバナー)の協力によって実現したものです。