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来る2025年ロータリー国際大会でノーベル賞受賞者が講演

平和と女性の権利を推進するイエメンのジャーナリスト、タワックル・カルマンさんが登壇

文:

アラブ世界出身で初めてノーベル平和賞を受賞したタワックル・カルマンさんが、6月21日~25日にカルガリー(カナダ)で開催される2025年ロータリー国際大会で講演します。民主主義と女性の権利拡大を支持する活動を行ってきたカルマンさんは、度重なる迫害と投獄に耐えてきました。

支持する活動を行ってきたカルマンさんは、度重なる迫害と投獄に耐えてきました。

2011年ノーベル賞受賞者を発表したノルウェー・ノーベル賞委員会のトルビョルン・ヤーグラン委員長は、カルマンさんについて次のように述べています。「アラブの春以前、そしてその最中における最も厳しい状況下で、カルマン氏はイエメンにおける女性の権利と民主主義のために主導的な役割を果たしてきました」。カルマンさんは、エレン・ジョンソン・サーリーフさん、レイマ・ボウィさんと共にノーベル平和賞を受賞しました。

ジャーナリストであり人権活動家でもあるカルマンさんは、2007年から2011年にかけて、イエメンのアリー・アブドッラー・サーレハ大統領の圧政に対して数多くの抗議活動を組織し、「革命の母」や「鉄の女」という異名を得ました。2005年には「束縛のない女性ジャーナリスト(Women Journalists Without Chains)」という組織を設立し、ジャーナリストの育成、メディアの自由を守る活動、女性の権利の促進に取り組んできました。

2023年のミュンヘン安全保障会議で、カルマンさんはこう述べています。「『女性の権利』とは、民主主義、表現の自由、統治者を選ぶ自由を意味します」。また、西側諸国の政府が中東における反革命運動を支援していることが、同地域の民主化運動を弱体化させていることを指摘しました。

カルマンさんは平和革命青年評議会(Peaceful Revolutionary Youth Council)も設立しており、2010年代初頭のアラブの春運動の際には、暴力ではなく平和的な対話を呼びかけ、シーア派とスンニ派のイスラム教徒の和解に尽力しました。イスラム教はほかの宗教と平和的に共存すべきであり、女性が社会のあらゆる分野で積極的に参加するうえでイスラム教は障害にはならないと信じています。

カルマンさんは、『TIME』誌の「歴史上最も反抗的な女性」17人のリストに名を連ね、2011年には「Women of the Year」(今年の女性)100人にも選ばれました。『Foreign Policy』誌では「世界の思想家トップ100」に選ばれています。さらに、タワックル・カルマン財団を通じてイエメンで学校の建設、貧困との闘い、医療支援など、多岐にわたる社会貢献活動を行っています。

今大会の講演者ラインアップから、もう一人ご紹介します:

スコット・サイモン

米国公共ラジオ放送司会者

サイモンさんは、米国公共ラジオ放送(NPR)の「ウィークエンド・エディション・サタデー」と朝のニュースポッドキャストの司会者として知られています。5大陸で取材を行い、ピーボディ賞やエミー賞など、米国の放送業界で主要な賞を数多く受賞してきました。彼のエッセイは「一貫して思慮深く、優雅で、挑戦的」と評され、ピーボディ特別賞も受賞しています。

これまでに 10回 の戦争を報道し、特にエチオピア内戦と飢餓に関する報道で大統領飢餓撲滅賞を受賞しました。また、PBS(米国公共放送サービス) の特別番組の司会を務め、BBC と共同で PBS の報道番組「ミレニアム 2000 」の共同司会も務めました。さらに、BBC では「Eyewitness」 シリーズや米国報道陣特集の司会を担当しました。著書には、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーとなった『Unforgettable: A Son, a Mother, and the Lessons of a Lifetime』のほか、『Baby, We Were Meant for Each Other』をはじめ、『Home and Away: Memoir of a Fan』、小説『Pretty Birds」、「Windy City」などがあります。名誉学位も数多く授与されています。

2025年ロータリー国際大会の詳細と登録はこちらをご覧ください。

— 2025年3月


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